IT業界ではSES(System Engineering Service)は一般的な雇用形態のひとつです。客先に常駐して作業をすすめるという雇用形態からネガティブなイメージを持たれ、「やめとけ」と言われることもあります。しかし、実はメリットも多いです。
この記事ではこれからSESに飛び込もうと考えている方やSESに飛び込もうかどうか迷っている方に向けてSESとは何か?といった基本的な概念からメリットやデメリットを詳しく解説していきます。
SES(System Engineering Service)とは?
SES(System Engineering Service)とは、クライアントにシステムエンジニアを派遣して労働力を提供することです。SESはIT業界において一般的な雇用形態のひとつです。
SESでは、プロジェクトに技術者を派遣して客先もしくはリモートで働くことが特徴です。SESのエンジニアエンジニアは、派遣元の企業がプロジェクトを受注し、派遣先の企業での業務に従事します。
SES(準委任契約)と他の契約形態について
SESの雇用形態は少し複雑です。SESは準委任契約ともいわれ、成果物ではなく業務の遂行に対して対価が支払われます。また、契約によって指揮命令系統が変わりますので注意が必要です。
何気なくする行動が実は違法だった、なんてことがないようにしっかりと理解しましょう。
SESと派遣契約の違い
準委任契約と派遣契約との大きな違いは指揮命令系統です。
準委任契約ではクライアントからエンジニアに対して指揮命令権がなく、指示はベンダーからになります。一方で派遣契約ではクライアントにも指揮命令権があります。
SESと請負契約の違い
準委任契約と請負契約との違いは業務の遂行に報酬が支払われるか、成果物に対して報酬が支払われるかの違いです。
請負契約では成果物に対して報酬が支払われるため成果物を完成させる責任が発生します。準委任契約では100時間の労働時間が発生した場合はその分報酬が支払われます。一方で請負契約では100時間でも200時間でも成果物の完成までは報酬が発生しません。
SESと委任契約の違い
準委任契約と委任契約の違いは業務の内容です。
準委任契約は法律行為を伴わない事務処理が中心ですが、委任契約は法律行為を委託する契約です。
SESは「やめとけ」と言われ る3つの理由
「SES」と検索すると必ずと言っていいほどネガティブな記事や関連キーワードが上がります。個人的にはメリットも多く楽しく仕事をしているのですが、なぜこのように言われるのでしょうか。
この章では、SESがなぜ「やめとけ」と言われているのかSESの特徴を交えてわかりやすく解説します。
理由1:環境変化が多い
SESでは数年単位、はやければ数か月単位でプロジェクトが変わります。新しい現場で人間関係を再構築しなければならなかったり、新しい現場の決め事や文化に慣れる必要があります。
変化を好まない人にとっては大きなストレスになり得ます。
理由2:スキルアップがプロジェクトで左右されやすい
SESでは必ずしも自分のスキルやキャリアに沿う案件に入ることができません。特に未経験入社では実務経験やポートフォリオの作成までは我慢の時期になります。
理由3:責任の所在があやふやになりがちなりがち
先ほど説明した通りSESの準委任契約は複雑で指揮系統が曖昧になったり責任の所在が曖昧になることがあります。
何かわからない事があっても誰に聞いたらいいのか、誰から指示を受けたらいいのか等々迷うことがあります。
SESはメリットも多い!おすすめのポイント5選!
「やめとけ」と言われがちなSESですが実はメリットも多いです。未経験入社でキャリアをスタートさせましたがデメリットを感じることなく仕事をしています。むしろ、一般企業よりも心地よいくらいです。
この章ではSESで働くことのメリットを紹介したいと思います。
メリット1:未経験でもスキルを磨きながら働ける
SESでは未経験のハードルが低く、これからITでのキャリアをスタートさせたいという方にはぴったりです。
社内に経験者やメンター、教育の風土があるSES会社だと学びが活発でモチベーションを保ちながら学習が出来、未経験でもスキルアップが可能です。
メリット2:大きなプロジェクトに関われる可能性がある
SESのプロジェクトでは日本を代表する企業のプロジェクトにアサインできることもあります。大企業の企業文化や巨大なプロジェクトに関われることは大きなメリットです。経験にもなりますし求められることも高度なのでスキルアップにも繋がります。
エンジニアにとってこれ以上ないメリットではないでしょうか。
メリット3:幅広いスキルを身に着けることができる
SESのプロジェクトには保守から開発まで様々なものがあります。上流工程から下流工程を経験することでエンジニアとしてのキャリアに厚みがますのは魅力です。また、学習が活発な会社であれば現場だけでなく普段から多く学習ができます。
メリット4:人脈形成が可能
先ほどデメリットとして述べた「環境変化が多い」ですがメリットにもなり得ます。人が変わることで様々な人脈を形成することも可能で、将来的に独立やフリーランスを考えている人にとってはメリットになるでしょう。
メリット5:残業が少ない
SESは準委任契約で契約時に労働時間や職務内容が定められる場合があります。その場合は、契約以上の残業や作業を課すことができません。
ブラックだと思われがちな業界ではありますがSESの残業時間は少ない傾向にあり、自分の時間を確保できるためメリットと言えます。
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SESの基礎的な考え方からメリットデメリットまで…
これからITでキャリアをスタートさせたい方や転職を考えている方にとって有用な記事になれば幸いです。
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